結構長い記事な上まとまりが無いです…雰囲気だけでも味わって頂ければ…。

前から東北に行きたい!でも兵庫県からはちょっと遠いんだよな〜!とずっと思ってたんですが、久侘歌がかわいいので全ての発言権を失い福島に行ってきました🐔🐣
福島はニワタリ系発祥の地であろうと思われ、ありとあらゆる場所にニワタリが祀られておわす久侘歌アイランドです。


↑Googleマップでざっと調べてみただけでこの有様です……(実際にはもっとあるはず)


流石に上記の箇所全部廻るのは困難な為、先ずは起源など見つけられればと地元図書館で郷土資料を漁っておきました。
見た中ではほとんどの町史や市史の「民俗」や「寺社」の項にニワタリ系に関する記述がありました。すごい……! 仔細は違えど「子供が百日咳に罹った際は庭渡(鬼渡、見渡なども)神社に鶏の絵をあげればよい」といったのは民間医療のまじないとして大抵載っておりました。
ニワタリがかなり満遍なく広まった信仰だというのが分かるのですが、ただ、上のまじないのような記述が少しあるだけで「詳しい信仰内容はよく分からない」とかなりこう…投げ出されている場合が多かったです。
やはり神仏分離令の際にちゃんとした祭神を祀ってそのままになった為でしょうか。こうした記述のある市史なども昭和頃に書かれたものなので、本来の姿は今ではかなり曖昧なものになっているかもしれませんね。
興味深い記述がいくつかあったのでメモしておきます。
・小塩に災難が相次いだ際、鬼門除けにと栃木県塩谷郡にある鶏頂山の高原村から飛鳥神社、俗称ニワトリ権現を勧誘した。かつて小塩では災難があるといって鶏の飼育を禁じ、その卵さえも口にしなかったことがある。その間に鶏を飼った家は風邪や火災などに見舞われた。(田島町史 四) →厄災を降りかからせることもあったみたいです。
・大日如来を庭渡山に安置した際、二つの玉が現れ中羽田のほうへ飛んでいき、そのとき中羽田の鶏がけたたましく鳴き始めた。村人は不思議に思い、飛来した玉を御神体として庭渡神社に氏神としてあがめ祀った。村人に善行あるいは悪事があると、神殿に鶏の声が必ず響いたという。(西郷村史) →光の玉というと鵺聖地でもありましたね。ド定番なのかな?

起源に関しては2つの説を見つけました。
①白河辺りにあったらしい「庭渡山」に祀られた鶏の神説(柳田国男『石神問答』など)
②田村市で信仰され始めた水の神「ミワタリ」説(岩崎敏夫『本邦小祠の研究』など)

①はあの辺りにおいて鶏について色んな伝承があることから鶏は元々神聖な存在で、庭渡山に祀りあげられた鶏の神様から色々派生したという説です。西郷村史のやつかな? ②はミワタリ(ミ=水/ワタリ=行き届く か?)という神が地域で信仰されていて、そこから荷渡(ニワタリ)になったりニワトリになったり鬼渡(御ニワタリ)になったりした、という感じの説です。
くたラーとしては①を推すべきなのでしょうが、②について記されている『本邦小祠の研究』めっちゃ細かく調べられてて素晴らしかったです。知りたいことが大体載ってたので興味ある方には是非読んでほしい…(私も図書館で読んですぐ古本通販で買った)
今残ってるものだけしか調べられていませんが、白河には「庭渡神社」、田村には「見渡/三渡(ミワタリ)神社」が大半で、2説どちらともに従って分布に偏りがありました。どっちが正解とかはもうタイムトラベルしないと分かんないやつだと思うんですが面白い!
『石神問答』の佐々木さんの返答で「鶏を箱に入れて水に沈め、それを水の神として祀った、というのは聞いたことがある」という記述があるので、二説とも正しいのか二説とも派生に過ぎないのかわからないですが、鶏=水の神がごちゃまぜになっていたのかもしれないですね。


奥深すぎてちょっと調べたくらいでどうにかなるやつじゃなかったので、またの機会にもっと漁ってみたいものです。信仰の変遷がすごい…めちゃくちゃ面白い…。
ゆるめに紹介しようとしたつもりが長々と書いてしまいました。以下撮ってきた神社のお姿など掲載します。
白河の庭渡神社、田村の見渡神社を中心にスペカ名元になってる名前の神社を中心に適度に色々観て参りました。
廻れたのしか載せてませんので、これら以外にもそれぞれ同名の神社が勿論沢山あります!無限に巡礼できるね~🐓

☆庭渡神社🐓
主に白河に集中しています。

「久田野(くたの)」という場所にあってほぼ久侘歌だし実質庭渡久侘歌じゃん!と勇んで行った庭渡神社です。
大変のどかな所に鎮座なされておりました。キジバトが歩いている。
村社(村にいくつかある社の中の代表。村の守護神のような立ち位置)として祀られているようです。
周りが樹で囲まれていてかっこいい…。
猪目模様が♡♡庭渡神社♡♡って感じでかわいいです!久侘歌はかわいいね~

こちらの庭渡神社は少し高まったところにありました。光が当たってめちゃくちゃ神々しい…!
額が奉納されていました。明治期の方が神意通りにしたらいいことあったので感謝みたいなことが書いてありますね。

住宅街から少し山に入ったところにおわしておりました。こちらもまた高い!神々しい!
少し錆びついてしまっていましたが手すりが備えられつけている。
村社だったようですが、時代の流れからか文字が埋められてしまっております。

ちょっと分かりにくいところにありました。西郷村なので、上述の例の光の玉の場所なのかな…?
この辺りの地名は庭渡なのですが、この庭渡の北側の地名が「カヲス」というようで、中々立派な名前をしていて大変興味深いです。この地名についても調べればよかったなあ…。

白河から少し北に離れた、伊達市の庭渡神社です。周りに果樹園が広がっておりました。
庭渡で由緒書きがあるのはここだけでした。阿武隈川沿いということで水の神の面を推していますね。

☆水雲神社
水符「水配りの試練」…は、ニワタリ(ミワタリ)権現の加護の大本が水関係、というか水の配分に関するものであろうということで(この辺りは『本邦小祠の研究』に詳しい)、特にこれという神社は無いというかニワタリ系全部になってくるかもしれないんですが、水雲(これもかつてはミワタリと読んだらしいです)神社が水要素強めだと思ったのでとりあえずここということにしておきます…🐟
伊達市や福島市に集中しています。

中々立派な感じ。結構あとのほうで廻ったのですが手水舎があったのが初めてでした。

こちらも村社ですね。ささやかながら遊具があって憩いの場感があります。

滅茶苦茶綺麗!こちらも遊具がありました。
由緒書きもありましたがニワタリ要素は無い…。

☆見渡神社
光符「見渡しの試練」ですね🕯
田村市が中心です。

ここも村社が消されてる…。
すごい綺麗に整備されてました!そしてまた結構高い。
市が管理してるのかな?

こちらもすごく立派な神社ですごく高い所にありました。いい眺め!
流石見渡し!
ニワタリ系…というかこの辺りの寺社は、でしょうか、狛犬が子供を連れてる率が高かったように思います。
ニワタリ権現要素は残念ながら然程見受けられなかったのですが、工事中だったし今尚現役感が強かったです。

こちらは天照様、お稲荷様など他の神様達との合祀ということみたいです。
田村市は神社整備に力を入れてるのかな?

…Googleマップでは見渡神社ということだったのですが、どこにも神社の名前がありませんでした…。
雰囲気はそれっぽい(お前に見渡神社の何が分かるんだ)気がするのですが本当に見渡神社だったのだろうか。正体不明でした。

☆鬼渡神社
鬼符「鬼渡の試練」です👹
鬼渡神社には、坂上田村麻呂が夷(えびす)征伐の際に参拝し祈願して、無事征服できた帰途礼拝し、「鬼神降伏を以て神のご功徳となし、鬼渡大神と尊崇し奉るべし」と言った為、それ以来鬼渡大明神と呼ばれるようになった、という逸話も残っているようです(いわき市史)。
瓔花ちゃんとはまさに対極…というか対岸の存在と言った面もある…のかな?(でも結構どこのニワタリ神社も恵比須様の像が奉納されてありました)
会津に分布が集中しています。

会津若松駅からそう離れていない、そこそこ家が密集した住宅街の中です。
ちょんと鎮座しておられるかわいくも綺麗なお社でした。

田んぼのあぜ道に誤って入ってしまう感じの立地で、車でのバックがめちゃくちゃ下手糞な為トラウマです。でも田んぼの中に突然木が密集して建ってるタイプの寺社いかすよね…。
中々いいフォントをしている。

こちらも住宅街にございました。
どこかに訪れた記念の石碑?がいっぱい置いてました。

☆その他
・海渡神社


岸辺とかに広まったミワタリ権現は、ウミワタリに変化して渡海祈願の信仰を引き受ける傾向があったようなのですが、こちらの海渡神社はなぜかド内陸にありました。
この一面の緑…。この辺り赤い屋根のお家が多くてすごくかわいらしかったです。

・鶏子神社

 
ニワタリ権現が完全に鶏になっちゃった奴ですね。
くたかわ~!🐓🐓

・三渡神社

中々低いところに注連縄がある。
丁度雨だったのでアレでしたが、晴れてたらさぞよい眺めだったろうと思います。

こちらは諏訪神社との合祀となっていますね。
元々三渡神社だけだったけど、後から諏訪神社も一緒になってそちらがメインになったとのことです。こうやって統合吸収されていってしまったの多々ありそう~…。

・子渡神社


足場悪めで結構高い所にあって大変でした。竹がめちゃくちゃ生えてました。

廻った場所はこんな感じです。
色々廻って思ったのは、
・鶏要素が思った以上に全然ない(鶏子神社灯篭だけでした)
・8割方高所にあって久侘歌が喜びそう
・基本的に住宅街や田んぼなどの身近な所にある
・(元)村社率が高い

総本山とかが無い地域信仰の神様であるにも関わらず、こんなにも広く信仰されて、しかも村の神様代表ともされることが多かったというのは、本当に篤い信頼みたいなものがあったのだろうなーと思います…。ご当地愛されキャラ!🐔
1950年代にワクチンが開発されて百日咳の脅威もほぼ去ってしまい、鶏の絵馬なども古くなって消えてしまったのでしょうね…😭
見渡神社や水雲神社のように新しい立派な祭神と共により多くの人に愛されるほうがいいのか、それとも庭渡神社のようにそのままひっそりと残るのがいいのか、いかがなのだろうなーと存ずる次第です。

 


話は変わって夏コミ受かってました!なんだか今回は当選率低そうと聞いていたので、4年ぶり2回目という申し込み頻度の低すぎるサークルを受からせて頂けて本当に良かったです🙏🙏
12日(月曜日) 南【ノ-39b】で、あまり数は用意できなさそうですが星蓮船10周年記念のグッズセットみたいなのを用意してみたいです。思い出したら寄ってやってください~!💪